色々な背景がある
どんな患者さんがいらっしゃるのか?最初から誰も分かりません。何語を話すのか?どんな文化背景があるのか?大切なことは、相手のあるがままの状態をまずは一度受け止めてみること。日本ではこうなのに・・といった先入観で決めつけないことが大切です。世界には私たちの国とは異なる文化や風習を持つ国がたくさんあります。少し視野を広げてまずは相手の話を聞きましょう。その上で、どうしていくのか一緒に考えていく姿勢が大切です。
日本語が話せても配慮が必要
日本語が話せるとつい大丈夫だと思ってしまいますが、日本語が話せても読み書きできない患者さんはいます。読み書きできない場合、日本語で説明を受け、その場でわかったとしても、帰宅後、日本語の薬の説明書や薬袋は読めず、結果、記憶だけを頼りに飲みます。日本語が話せても、読み書きできない場合は、相手の母語で書いた情報を渡すほうが、患者さんも安心して薬が飲めます。
相手の母語を確認する
相手が何語を話しているのか?まずはそれを把握する必要があります。何でもかんでもまずは英語で話そうとする人がいますが、英語で通じない言語圏の人も世界にはたくさんいます。先入観で決めつけるのではなく、相手に通じるのは何語なのか?きちんと把握しましょう。
既存の翻訳ツールの活用
世の中には様々な言語があります。全部の言葉が話せればもちろん問題ないのですが、なかなかそうもいきません。しかも、予算があまりないと、各言語の書籍を買いそろえるわけにもいきません。そういった際に役立つのが、既に翻訳されているツールです。医療業界で検索するのも良いのですが、そこに「多文化共生」というキーワードを加えて検索していくと世界が広がります。
「多文化共生」とは、国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員としてともに生きていくこと」と定義されています。在住外国人向けに省庁や国際交流協会等が様々な資料を作成しています。無料で公開しているものも多いので、活用しやすいと思います。ただし、使用に際しては、事前に使用許可を得るように求めているサイトもあり、使用に際しては使用上のルールを遵守して使いましょう。
いざ使おうと思ってもどこにどんなツールがあるのかを知っていないと活用できません。事前に資料の所在、内容を把握しておくことが大切です。 ツールについては、当サイト内外国人患者対応お役立ちツールをご参照ください
言葉が全く通じない・・医療通訳さんの力を借りる
何を話しているのか全く分からない。何語なのかだけはかろうじて分かったでも既存翻訳ツールが無い、話が複雑すぎてとてもツールでは対応できない等々、そういった場合には医療通訳さんを手配するのも一つの手です。全国医療通訳者協会(NAMI)や各都道府県国際交流協会等に照会すると、医療通訳さんの情報を得ることができます。ただし全都道府県エリア対応できているわけではなく、全言語対応できているわけではないので、その点はご注意ください。